国別対抗戦に出場するメンバーに選ばれた(左から)鈴木、浅田、高橋【スポーツナビ】 |
世界フィギュアスケート国別対抗戦2013(4月11日〜14日、東京・国立代々木競技場)の日本代表メンバー発表会見が20日に都内で行われ、浅田真央(中京大)や高橋大輔(関大大学院)らが選出された。大会は今季のランキング上位6カ国による団体戦で、男女シングル各2名、ペアとアイスダンス各1組でチームが構成され、各種目の順位に応じて与えられるポイントの合計で争われる。男子は高橋と無良崇人(中京大)、女子は浅田と鈴木明子(邦和スポーツランド)、アイスダンスはキャシー・リード/クリス・リード(木下クラブ)がそれぞれ選ばれた。ペアの選手は今大会参加せず、シングルとアイスダンスのポイントで頂点を狙う。出場国は日本、カナダ、米国、ロシア、フランス、中国。キャプテンは高橋が務める。また全日本チャンピオンである羽生結弦(東北高)は、左ひざの負傷で1カ月の安静が必要と診断され、今大会は欠場となった。
☆高橋「少しへこんでいます」
GPシリーズで高橋や羽生ら実に男子6人がメダル獲得、四大陸選手権でも浅田、鈴木、村上佳菜子(中京大中京高)の女子3人が表彰台を独占するなど、かつてないほどの選手層を誇っている日本。しかし、3月13日から16日まで行われていた世界選手権(カナダ)では、浅田が銅メダルを獲得したのみと、軒並み低調な成績に終わった。「世界選手権の出来が悪くて、少し僕自身もへこんでいます」と振り返った高橋は6位。「GPファイナルでは優勝しましたが、四大陸選手権と世界選手権では良い演技ができなくて、自信を失っている部分があるので、この国別対抗戦ではそれを取り戻せるような演技ができれば」と大会に懸ける思いを語る。
キャプテンとして日本をけん引する高橋。重責を担うが「優勝を目指す」と力強く宣言【スポーツナビ】 |
前回大会はキャプテンとしてチームをけん引し、優勝に導いた。今回も引き続きその重責を担うが、「自分を奮い立たせる気持ちでやっていこうと。今大会はシーズン最後の試合となりますし、次のシーズンを迎えるにあたって、すっきり今季をやりきれたなという気持ちになれるような演技をやってくれれば、おのずと結果はついてくると思います」とチームメートに信頼を寄せた。キャプテンという立場には慣れないと屈託なく笑っていたが、ライバルとなるチームはどこかという質問に対しては「カナダかな」と本音をチラリ。世界選手権で優勝したパトリック・チャンらの出場が予想されており、静かに闘志を燃やしていた。
☆浅田「今回はすごく楽しみにしていた」
一方、世界選手権で銅メダルを獲得した浅田は、団体戦に対する期待が高じている様子だった。「チーム戦なので、力を合わせていきたいです。昨年は出ることができなかったんですけど、今回はすごく楽しみにしていました。本当に楽しみです(笑)」と「楽しみ」という言葉を連発。団体競技にあこがれていたようで、「シンクロナイズドスイミングやサッカーを見ながら、『いいなぁ』と思っていました。フィギュアは1人でやる競技なので、仲間と一緒に頑張れると思うとすごくうれしいです」と大会への期待を明かす。
世界選手権でトリプルアクセルを決めた浅田だが、要所でミスが出て3位。国別対抗戦でも跳ぶことを示唆しており、「アクセルを必ず入れないと来シーズンにつながらないと思うので、そこはしっかり決めて、最高の演技をしたいです」と意欲を示した。
また、鈴木は「世界選手権であまり良い演技ができなかったのですが、今季最後にもう1度滑ることができるので、五輪シーズンに向けて、新たなスタートをきるためにも、精いっぱい演技ができればいいかなと思っています」と抱負を語っていた。
前回大会で初優勝を飾った日本は2連覇の期待が懸かる。フィギュアスケートの団体戦は来年のソチ五輪から正式種目となるだけに、それを見据えた激しい戦いが繰り広げられそうだ。
☆高橋、浅田、鈴木のコメント
以下は、選手のコメント。高橋大輔(関大大学院)
「今回もキャプテンをやることになりました。キャプテンはいまだに慣れないんですけど、このメンバーにもしっかりと頑張ってもらえるように、自分も精いっぱいやりたいと思います。今回もたくさんの方が応援してくれると思いますし、その期待をひっくるめて目標を優勝としました。正直、自分はちょっとびびってます(笑)。大丈夫かなという不安はあるんですけど、キャプテンなので優勝を目指していきたいと思います。今回、キャプテンは鈴木さんがいきそうな雰囲気だったんですけど、『ここは先輩に負担をかけられないな』と思って、『自分が行きます』と逆立候補をしました(笑)。
世界選手権の出来が悪くて、僕自身も少しへこんでいるんで、自分を奮い立たせる気持ちでやっていこうと。目標は確かに優勝としましたが、今回はシーズン最後の試合となりますし、次のシーズンを迎えるにあたって、すっきり今シーズンをやりきれたなという気持ちになれるような演技をやってくれればおのずと結果はついてくると思うので、楽しんでやってほしいなと思っています」
浅田真央(中京大)
「チーム戦なので、力を合わせていきたいです。昨年は出ることができなかったんですけど、今回はすごく楽しみにしていました。本当に楽しみです(笑)。フィギュアは1人でやるスポーツなので、団体の競技を見ながら『いいなぁ』と思っていました。シンクロナイズドスイミングやサッカーなんかを見ていて、仲間と一緒に頑張っているので。団体戦ができてすごくうれしいと思いましたし、本当に楽しみです。
シーズンの最後ですし、試合勘というのも自分のものになっていると思うので、自分のベストを出せる場なのかと思います。私もそれができるように頑張りたいです。日本代表として選ばれていくわけなので、しっかりとした演技をして、高橋キャプテンが言うように優勝できるようにしたいです」
鈴木明子(邦和スポーツランド)
「世界選手権であまり良い演技ができなかったのですが、今季最後にもう1度滑ることができるので、五輪シーズンに向けて、新たなスタートをきるためにも、精いっぱい演技ができればいいかなと思っています。今年は納得いく演技ができていないので、もう1度チャンスを与えてもらったということで、日本のためにも、最高の締めくくりをして翌シーズンにつなげていきたいですね。
私たちはチーム戦をやる前から本当に仲が良くて、演技が良かったときは褒め合って、悪かったときはなくざめ合ってと、個人競技なんですけど、普段から良い関係なので、そういうことは生きてくるんじゃないかなと思っています。みんなライバルなんですけど、今回は力を合わせて、演技も共有できるというか、みんなで喜びを分かち合えるというのは、普段の力の何倍にもなると思います。サッカーとか見ていると、応援で日本が1つになるじゃないですか。そういうのをスケートでもやっていけたらうれしいので、団結力を感じられたらいいなと思います」
<了>
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